Nintendo Switchの品薄の原因を分析する記事が、日経テクノロジーオンラインに掲載されています。
同記事では、任天堂の「謙虚さ」と自動車が品薄の原因になっていると指摘されています。
以下、日経テクノロジーオンラインより。
そもそもは発売時に用意した台数が少な過ぎました。発売前に任天堂が設定していた2016年度の販売目標は200万台でした。つまり、発売日である2017年3月3日からの約1カ月間だけで200万台を出荷する計画だったわけです。この台数は新型ゲーム機の「発売月」の台数としてはかなり謙虚な数字です。Wiiはもちろん、Wii Uに比べても少なめで、「固すぎる台数」と言ってもよいでしょう。Wii Uが振るわなかった影響か、任天堂の慎重な姿勢が現れていました。
ところがふたを開けてみると、2017年3月だけで270万台以上売れました。同社の予測に反してスタートから絶好調で、作っては売れ、作っては売れる――、という状況がその後も続き、現在に至っています。もちろん、初動の売れ行きの良さを見た任天堂は、Switch用部品発注を増やし、Switchを製造するEMS(電子機器の受託生産サービス)に増産を依頼したようです。ですが、そうした発注が本体の出荷量増に反映するまでには時間がかかります。
上記のように、当初は2017年3月3日からの約1カ月間だけで200万台の本体を出荷する計画でした。
これはWiiやWiiUと比較すると、謙虚な数字です。
そしていざ発売してみると、売れに売れて任天堂の計画を大幅に上回る270万台以上が売れました。
こうした任天堂の謙虚さが発売直後の品薄の原因となったようです。
また、そもそも急に増産しようとしても、電子部品や半導体部品全体の需給が逼迫しており、入手しにくい状況にあります。主な原因は自動車です。自動車の電装化が加速し、それに必要な電子部品や半導体部品の需要が高まっています。この結果、民生エレクトロニクス製品向け部品の需給もひっ迫し、価格も高くなっています。
増産のための部品を調達するにはプレミアムを支払う必要がある可能性があります。任天堂としてもそこまで無理をして部品を調達するリスクは負いにくいと見られます。
また、他の記事でも報道されてきた通り、Nintendo Switchで使う電子部品や半導体部品全体の需給が逼迫していて、入手しにくい状況になっているようです。
スマートフォン市場との取り合いになっているという報道もありました。
需要の高い部品を無理に調達しようとすると、割高になってしまいます。
かつて任天堂の君島社長は、スイッチの本体価格について「基本的に赤字で発売するつもりはない」と発言していたことから、赤字になるような割高価格で部品を調達することは考えていないのかもしれません。
情報源:新ハード「ニンテンドースイッチ」のターゲット層や価格について君島達己がコメント…出荷予想台数は200万台
任天堂は2017年6月に、Switch本体の「品薄のお詫び」と共に、7月と8月に出荷を増やす旨を発表しています。確かに国内向け出荷は増やしていますが、どうやら大幅な増産ではなく、総生産台数のうち、日本市場向けの出荷比率を増やす「アロケーション」で主に対応しているようです。
日本で特に人気のあるスプラトゥーン2の7月発売に合わせた対応です。アロケーションで7月と8月を乗り越え、9月以降に本格的な増産体制に入るというもくろみのようです。9月以降、Switchの品薄状況は、世界的にはかなり緩和される方向だと見ています。
7月の後半から8月にかけて、国内でのNintendo Switchの出荷量が大幅に増えましたが、これは大幅な増産によるものではなく、総生産台数のうち、日本市場向けの出荷比率を増やす「アロケーション」で対応したためと同記事では述べられています。
気になるのは今後いつ品薄が解消されるのかですが、9月以降はSwitchの品薄状況は世界的にはかなり緩和される方向と分析されてます。
しかし、どうやら日本ではそううまくいかない様子です。
また国内に関していうと、9月以降の増産で品薄状態が大幅に緩和するかは疑問です。国内では品薄状況はあまり変わらないかもしれません。というのは、9月以降に任天堂は、今度は欧米向けに出荷を増やすアロケーションを行う見込みだからです。欧米市場で特に人気のあるスーパーマリオシリーズの最新作スーパーマリオ オデッセイが2017年10月に発売されます。同ゲームが欧米での本体販売を牽引するのは明らかですから、7月とは逆に、欧米向けにアロケーションを実施するのは当然なのです。
『スプラトゥーン2』の発売に合わせて国内の出荷量を増やしたように、今度は10月に発売される『スーパーマリオ オデッセイ』に合わせて欧米向けに出荷量を増やす可能性が高いとのこと。
よって、欧米市場での品薄は多少解消されても、日本市場では解消されない可能性が高いそうです。
9月から12月に計画通り増産しても、世界中で需給がさらに逼迫するようであれば、任天堂は2018年1月以降に本格的な増産体制を敷くと見ています。それでも、2017年度、つまり2018年3月までに出荷可能な台数は多くても1300万台くらいにとどまる見込みだと思います。この段階で世界中の「コアな任天堂ファン」にはSwitchが行き渡るでしょう。
任天堂が本格的な増産体制を敷くのは、早くても2018年1月以降になるようです。
そこでやっと世界中のコアな任天堂ファンにSwitchが行き渡ると分析されています。
年内いっぱいは品薄が続くというアナリストの声も多いですし、少なくとも国内の品薄が解消されるのはまだ先の話になりそうです。